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レースレポート

英国F3 第7戦 スパ・フランコルシャン(ベルギー)

予選

日付:2009年7月23日(木),24日(金)
天候:晴れ/雨

予選1回目結果:8位
予選2回目結果:13位

目まぐるしく変わる天候に翻弄されるも、確実な進歩

中嶋大祐コメント

 予選に先立って行われたフリー走行は2回ともウェット路面となり、ドライコンディションのスパを予選で初めて経験するという、自分の経験値を上げるのには絶好の機会となりました。こういった状況の中で8番手のタイムを記録することが出来たのは大きな収穫でした。ホッケンハイムの時の自分が同じ予選に臨んでいたとしたら、もっと悪い結果に終わっていたと思います。

 予選2回目は再びウェットコンディションとなったのですが、自分のドライビングも車のバランスも今ひとつ噛み合わず、難しいセッションとなりました。この時はフリー走行の時と違い、新品タイヤを使用したのですが、それによるバランスの変化が予想以上に大きく苦労しました。また、自分自身も刻々と変わる路面コンディションへの対応がワンテンポ遅れてしまっていました。とにかく1周の距離が長いコースですので、そういった部分にも大きくタイムが左右されると思います。

決勝

日付:2009年7月24日(金),25日(土)
天候:第1レース:晴れ, 第2レース:雨

決勝第1レース結果:リタイヤ
決勝第2レース結果:8位

第1レースはリタイヤに終わるも、第2レースで大きく挽回

決勝概要

 イギリスF3第7戦の舞台はベルギーのスパ・フランコルシャンサーキット。言わずと知れたF1ベルギーグランプリの舞台である。全長7kmにも及ぶサーキットは高低差に富み、数多くのチャレンジングなコーナーを備えている。また、このサーキットは地理的な特性から天候が非常に変わりやすいことでも有名で、この週末も安定しない「スパウェザー」がドライバーたちを苦しめた。

 同時に開催された24時間レースの影響で、金曜日の午後に行われた決勝第1レース。全体的に天候が不安定だった週末の中にあって、このレースは珍しく晴れ間に恵まれた。中嶋は上位入賞のチャンスもある8番手からのスタートだったが、レースは意外な形で結末を迎えてしまう。9番手スタートだったチームメイトと競り合う形で1コーナーに進入した中嶋は、コーナーの中ほどで前方の車に接触。サスペンションにダメージを負い、その場でリタイヤとなった。少しでも多くのポイントを獲得しておきたい中嶋にとって、手痛いリタイヤとなってしまった。優勝はカーリンのD・リカード(オーストラリア)。

 土曜日の午後に行われた決勝第2レース。このレースはまさに典型的な「スパウェザー」に見舞われた。フォーメーションラップが始まる直前に突然の降雨。その雨はフォーメーションラップが行われている最中に強さを増し、これを危険と判断したレースコントロールが10分のディレイを宣言する。この間にほぼ全てのチームがグリッド上でタイヤの交換やウィングの調整を行ったが、フォーメーションラップが再開される5分ほど前の段階で雨が止み、なんと再び晴れ間が広がってしまう。これにより、中嶋も含めた大半の車はドライタイヤに戻し、数台のみがウェットタイヤを装着しているという状況で2度目のフォーメーションラップが開始された。

 迎えたスタート。フォーメーションラップを開始した時の路面状況を参考に、中嶋はホイールスピンを防ぐために回転数を落として慎重にスタートを切ったが、路面は中嶋が予想していたよりも乾いており、1台に先行を許してしまった。さらに高速のプーオンコーナーでは濡れた路面に足をすくわれ、一時は16番手まで順位を落としてしまう。その後はオーバーテイクのチャンスを活かすことが出来ずに苦しむが、5周目に再び降り出した雨が中嶋の味方となる。

 雨が降り出してから相対的にラップタイムが向上した中嶋は、ウェットタイヤを装着するためにピットインをする車もある中でミスを犯さず順調に順位を上げ、レース終盤には8位まで浮上しチェッカーフラッグを受けた。優勝は、A・ブザイド(ブラジル)。

中嶋大祐コメント

 1レース目のリタイヤは完全に自分のミスで、多くのポイントを獲得できるチャンスがあった中でチームに申し訳ないことをしてしまいました。1コーナーへ進入していく際カルロス(チームメイト)がちょうど僕の斜め後ろにいて、彼の方が良い加速をしていたのですが、その時にどうしても抜かせたくないという気持ちがありブレーキを遅らせ過ぎてしまいました。後悔しても遅いですが、良いレースを出来る感触があっただけに残念です。

 第2レースについては、ほぼドライコンディションであった最初の数周の内容に課題が残りました。第1レースでリタイヤに終わってしまった分、少し慎重になり過ぎてしまったと思います。慎重になり過ぎたためにポジションを落とし、そのポジションをなかなか挽回出来ないまま大幅にタイムをロスしてしまいました。雨が再び降り出してからはペースも良く、多くのポジションを挽回出来ましたが、最初の段階でポジションを失っていなければもっと上の順位で争えるチャンスもあったと思うので、その点が残念です。

 まだまだ完全に復調と言える順位は獲得できていませんが、自分の中で課題としていた部分を徐々にクリアできているのは確かです。僕もチームもモチベーションはとても高いですし、次戦は一番馴染みのあるシルバーストンでのレースですので、非常に楽しみです。