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レースレポート

2010 英国F3 第1戦 オールトンパーク

予選

日付:2010年4月3日(土)
天候:-
気温:-

ベストラップ:9位
セカンドベストラップ:8位

路面変化の激しいコンディション思い通りのタイムを出せず

中嶋大祐コメント

ウェット路面がドライ路面に変化していくというコンディションの中で、思い通りのタイムを出す事が出来ませんでした。路面が完全に乾いていたコーナーではトップとも遜色のないペースで走ることが出来ていたのですが、まだ部分的に水が残っていたOld Hall(1コーナー)とDruids(7コーナー)で差が付いてしまいました。この結果は自分が期待していたものではありませんので非常に残念ですが、気持を切り替えて決勝で挽回出来るように頑張ります。

決勝

日付:2010年4月4(日)、5日(月)
天候:-

決勝スターティンググリッド
第1レース:8位 / 第2レース:2位 / 第3レース:9位

決勝結果
第1レース:6位 / 第2レース:2位 / 第3レース:7位

本ラウンド終了時のランキング:5位

新フォーマット採用の英国F3で僅差の2位入賞を果たす

決勝概要

長いシーズンオフを経て、ついに2010年のイギリスF3選手権が開幕した。今シーズンより、イギリスF3には新しいフォーマットが採用され、全10ラウンド・30レースの長い戦いが繰り広げられることになる。

  金曜日 土曜日 日曜日
午前 フリー走行 予選
(30分)
第2レース
(20分間、 もしくは
それに準じた周回数)
午後 フリー走行 第1レース
(30分間、 もしくは
それに準じた周回数)
第3レース
(40分間、 もしくは
それに準じた周回数)

あらためて新フォーマットを確認しておくと、まず予選は30分のセッションが1回のみ行われる。この30分のセッションの中で各ドライバーが記録したタイムのうち、それぞれのベストタイムが第3レースのスターティンググリッドを決定し、ベストタイムの次に良いタイムが第1レースのスターティンググリッドを決定する。

この新フォーマットの中で最も特徴的なのは、第2レースのグリッド決定方法だろう。変則的なリバースグリッドとなっており、第1レースの優勝者が行うくじ引きによりグリッドが決定されるというもの。優勝者は6位から10位までの順位が書いてあるくじを引き、その結果によって自分のグリッドを決める。そして、優勝者のグリッドより上がリバースグリッドとなるのだ。例えば、優勝者が6位のグリッドを引いた場合には第1レースの上位6人のドライバーによるリバースグリッドとなり、優勝者が10位のグリッドを引いた場合には第1レースの上位10人のドライバーによるリバースグリッドとなる。これは、F3ユーロシリーズでたびたび見られていたリバースグリッドのポールポジション狙いという消極的なレースを防ぐ意味で、とても画期的なルールと言える。シリーズポイントについては、第1レースと第3レースでは1位から10位までのドライバーにそれぞれ20・15・12・10・8・6・4・3・2・1ポイントが付与され、第2レースでは1位から10位までのドライバーにそれぞれ10・9・8・7・6・5・4・3・2・1ポイントが付与される。

朝方までのどんよりとした曇り空とは打って変わって、春らしい暖かな日差しの下でシリーズオープナーとなる第1レースは行われた。8番グリッドから良いスタートを決めた中嶋は、1コーナーまでに2つ順位を上げることに成功する。その後も最後まで集中力を切らさず果敢に攻めて前を走る車のミスを誘ったが、残念ながらこれ以上ポジションを上げることは叶わず、19周のレースを6位でフィニッシュした。このレースの優勝者は、ポールポジションからスタートしたカーリンのJ・E・ヴェーニュ(フランス)。また、規定により中嶋は第2レースを2番グリッドからスタートすることとなった。

イースターホリデーに伴って日曜日は休息日となり、第2レースと第3レースは月曜日に行われた。日曜日深夜から月曜日の朝方まで降り続けた雨の影響でハーフウェットのコンディションとなる中、グリッド上の全車がスリックタイヤを選択し第2レースに臨んだ。ホームストレート上にはまだ完全に湿っている状況であったが、スタートで鋭い出足を見せた中嶋は1コーナーまでに首位を奪う事に成功する。しかし、先頭を走る車にとってコンディションの把握が極めて難しい状況の中で、後続から激しいプッシュを受ける厳しい展開となってしまう。そして決定的な瞬間は4周目に訪れた。1コーナーでポジションを守るためブロックラインを取った中嶋はコーナー出口で僅かに水の残る部分を踏んでしまう。これによってスピードを僅かに失い、続く2コーナーまでの間にR・スヴェンセン・クックに首位を奪われてしまったのだ。しかし、中嶋は諦めることなく懸命に反撃のチャンスを窺う。路面のコンディションが急速に回復し始めた6周目頃から、時には1周あたりトップよりもコンマ8秒近く速いラップタイムを記録しながら追い上げた。幾度となくトップのすぐ背後まで迫った中嶋であったが、すでに完全なドライコンディションと化していたサーキットにオーバーテイクのチャンスを見出すことは出来ず、自己最高位タイとなる2位でのチェッカーとなった。

月曜日午後に行われた第3レース。第2レースの後に心配された降雨はなく、完全なドライコンディションで行われた。40分の長丁場となるこのレース、中嶋は9番手グリッドからスタート。8番手グリッドの選手がスタート前にリタイヤした事によって、まずは労せず8位へ。さらに1コーナーまでの間に上位を狙うが、ここでは行き場がなく一旦様子を窺う。しかし続く2コーナーで大外にラインを見出した中嶋は一気にオーバーテイクを仕掛け、6位にポジションアップ。さらに上位を狙ったが、高速コーナーでのバランスに問題を抱えていた中嶋はこの後ペースを上げる事が出来ず我慢の展開を強いられる。5周目にはこのレースに新品タイヤを温存していたJ・カラードにオーバーテイクを許し、7位となる。レース後半に向けてタイヤを労わりながら安定したペースで走行していた中嶋であったが、これ以上順位の変動はなく、26周のレースを7位で終えた。優勝は、カーリンのJ・E・ヴェーニュ(フランス)。

中嶋大祐コメント

第2レースでは、路面がまだ湿っている最初の数周でペースを上げられなかったことが敗因となりました。2位になってからのペースがとても良かった分、ポジションを守り切れなかった事が悔やまれます。予選もそうでしたが、路面が少しずつ乾いていく中でグリップの限界を掴むスピードをもう少し上げなければいけません。

もちろん今ラウンドの結果は自分が期待していたものには程遠いですが、残念な結果に終わってしまった予選の後で気持ちをすぐに切り替える事が出来たのは良かったと思います。この気持ちの切り替えを昨年はなかなか上手く出来ず、悪い流れにはまってしまう事がしばしばありました。今年はレース数が増えただけではなく連戦も多いので、ポジティブな気持ちを保ってシーズンを戦う事が出来るように気を付けたいと思います。