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レースレポート

2010 英国F3 第2戦 シルバーストン(アリーナレイアウト)

予選

日付:2010年5月1日(土)
天候:曇り時々晴れ

ベストラップ:5位
セカンドベストラップ:6位

開幕戦に続き不運な予選に。決勝での挽回を期す

中嶋大祐コメント

開幕戦に続き、またしても予選で自分たちの実力を発揮する事が出来ず残念です。トラフィックのマネージメントが上手くいかず、タイヤの一番良い状態を活かす事が出来ませんでした。

予選中に使用できる2セットの新品タイヤのうち、1セット目を使用した最初のアタックではポジショニングが上手くいき、トップと遜色のないタイムを出す事が出来ていたのですが、より重要な2セット目のタイヤを使用したアタックで自分の想定以上に遅いペースで走る車や、イエローフラッグによる影響を受けてしまいました。上位のグリッドを逃してしまったばかりか、フリー走行までは大きな差を付けていたチームメイトにまで先行されてしまう結果となり落胆していますが、最後の2周でタイムアップをしていなければ10位よりも下の順位になってしまっていました。そういった意味では、ポジティブな見方をすればダメージを最小限に留めることが出来たとも言えますので、予選の結果は予選の結果として処理をして、決勝での挽回に集中したいと思います。

決勝

日付:2010年5月1(土)、2日(日)
天候:5月1日:曇り時々晴れ/5月2日:雨のち曇り

決勝スターティンググリッド
第1レース:6位/第2レース:6位/第3レース:5位

決勝結果
第1レース:3位/第2レース:3位/第3レース:リタイヤ(マシントラブル)

本ラウンド終了時のランキング:5位

決勝レースは好調をキープ!連続表彰台を獲得

決勝概要

FIA GT1世界選手権のサポートレースとして開催されたイギリスF3選手権第2戦は、通称アリーナレイアウトと呼ばれるシルバーストンの新サーキットが舞台となった。旧グランプリレイアウト上のAbbeyコーナーの手前を右に曲がり、2つの新しいコーナーを通った後に旧ナショナルレイアウトのバックストレートへ合流するレイアウトは全長5.8キロに及び、今シーズンのカレンダー上ではスパ・フランコルシャンに次ぐロングサーキットである。

暖かい陽光に恵まれた決勝第1レースは波乱の幕開けとなった。3番手グリッドを手にしていた中嶋のチームメイト、F・ナスルがフォーメーションラップを開始する際にグリッド上でエンジンストール、そこに後方から走ってきたドライバーが追突したのだ。これによりスタートは延期。クラッシュした車両が回収された後再びフォーメーションラップが行なわれ、スタートが切られた。スタートを上手く決めた中嶋は1コーナーまでに1台をパスし4位に浮上。さらにMaggotts・Becketts・Chapelの複合コーナーを冷えたタイヤの中で上手くまとめ、バックストレートエンドのStoweでチャンピオンシップリーダーのJ・E・ヴァーニュをインサイドから一気にオーバーテイクし、3位に浮上した。3位に浮上した後は、摩耗の進むタイヤをかばいながら周回を重ねていく。レース終盤、先行する2台のバトルが激しくなった際には2位を走るO・ウェッブに急接近し、最終ラップにはオーバーテイクのチャンスを窺う事が出来るほどであったが、残念ながら周回遅れのドライバーに行く手を阻まれてしまい、3位でチェッカーフラッグを受けた。優勝は、カーリンのJ・カラード(イギリス)。

日曜日は冬を思わせる冷え込みに見舞われ、午前中に行なわれた第2レースは冷たい雨が降る中スタートが切られた。第1レースの結果に基づくリバースグリッドにより6番手グリッドとなった中嶋は、非常にグリップの低い難しいコンディションにおいても絶好のスタートを決めると、1コーナーまでに1台、そして1コーナーでアウト側からもう1台をパスし4位に浮上した。この時点で1つ前のポジションを走るのはチャンピオンシップリーダーのJ・E・ヴァーニュ。Maggottsへの進入でマシンの鼻先をインへ滑り込ませると、続くBecketts・Chapelで彼の前に出る事に成功する。しかしヴァーニュもここでは諦めず、今度はバックストレートで中嶋のスリップストリームを使うと続くStoweの進入でインサイドのラインを奪うが、ここは中嶋がブレーキングを遅らせて先行、3位のポジションを手に入れた。

これで表彰台圏内に浮上した中嶋であったが、勢いはまだ止まらない。新セクションにあるArenaと呼ばれる右コーナーへのブレーキングで2位を走行中であったE・グティエレスのインサイドに飛び込むと、続くヘアピンでのサイドバイサイドの争いを制して2位の座を奪い取った。2周目にはトップを視野に入れながらプッシュを続ける中、非常に速いラップタイムで下位から順位を上げてきたアレクサンダー・シムズが中嶋に急接近。ここは残念ながら成す術がなく、ホームストレート上でパスされ3位へとドロップ。その後程なくしてシムズが一気にトップの座を奪う中、中嶋もチャンスを窺いながら走行を続けるが、ついにその順位は入れ変わることなくこのウェットレースは終了した。(※シムズはインビテーショナルクラスからの参戦のため、中嶋は2位のシリーズポイントを獲得)

第3レースは完全なドライコンディションで行なわれた。5番手グリッドからのスタートとなった中嶋は、スタートで1台をパスし4位に浮上。また、3周目に2位を走行中だった選手が1コーナーでスピンを喫したことから3位に浮上し、表彰台圏内で順調にラップを重ねて行った。しかし3戦連続の表彰台が現実的になっていたレース終盤、中嶋は不運に見舞われる。駆動系のトラブルにより徐々にマシンのスピードを失っていき、レース終了まで残り2周の時点で4位にドロップすると、ファイナルラップの1コーナーで6位まで順位を落としたところでマシンは完全にストップし、無念のリタイヤ。非常に残念な結果となったが、オフィシャルの車によってピットロードまで戻ってきた中嶋はSUNOCO Driver of the Weekend Awardと呼ばれる、その週末に最も活躍した選手に贈られる賞を受賞。3度目の表彰台登壇でこの週末を締めくくった。

中嶋大祐コメント

最後のリタイヤは残念でしたが、3レースともエキサイティングで良いレースが出来ました。特に、新レイアウトで初めてのウェット走行となった第2レースで6番手グリッドから順位を上げて表彰台に上がる事が出来たのは良い自信になりました。このような状況は、自分の中でも課題にしていた部分でしたので。今は本当に優勝をしたい気持ちでいっぱいですが、今回のようなレースを出来ていればその時も近いのではないかと思います。