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レースレポート

2010 英国F3 第8戦 シルバーストン(ブリッジGP)

予選

日付:2010年8月14日(土)
天候:曇り時々雨

ベストラップ:10位
セカンドベストラップ:9位

チーム内ベストの10位

中嶋大祐コメント

30分間の予選セッションの中、最初の15分間は完全なウェット路面、最後の15分間はスリックタイヤを使用したハーフウェットという、とてもチャレンジングな状況でした。ウェットタイヤで走行していたセッション前半は3〜4番手と良いポジションに付ける事が出来ていたのですが、スリックタイヤに交換してからのタイムの伸びが自分たちには足りませんでした。いずれのレースも多くのポイントを獲得出来る可能性が十分にあるグリッドからのスタートになりますので、精一杯頑張ります。

決勝

日付:2010年8月14日(土)、15日(日)
天候:8月14日:曇り時々雨 8月15日:晴れ時々曇り

決勝スターティンググリッド
第1レース:9位/第2レース:10位/第3レース:10位

決勝結果
第1レース:10位/第2レース:19位/第3レース:11位

本ラウンド終了時のランキング:12位

トラブルの多い週末に。第1レースでは不安定な天候の中積極的な作戦に挑戦

決勝概要

5月の初旬に行なわれた第2戦以来、約3カ月ぶりにシルバーストンへと戻ってきたイギリスF3選手権。第2戦とは異なり、今回はブリッジGPと呼ばれる昨年までF1イギリスグランプリで使用されていたレイアウトでの開催となった。

金曜日、土曜日と不安定な天候に見舞われたシルバーストン。ハーフウェットの予選の後に行なわれた決勝第1レースでも、気まぐれな雨がチームとドライバーを悩ませた。レースの直前にも軽い降雨はあったものの、これは僅かな時間で止んだためグリッド上の全ドライバーがドライタイヤを装着しレースをスタートした。予選中のセカンドベストラップタイムに基づき9番手グリッドからスタートした中嶋は、1コーナーでO・ウェッブをアウトからオーバーテイクし8位に浮上。さらに、バックストレートでチームメイトであるC・ウエルタスの真横に並ぶと、ストウコーナーへの進入でまたしてもアウトからオーバーテイクを試みる。しかしここで少し汚れたラインを取らざるを得なかった中嶋はバランスを崩しランオフエリアへ。なんとか体勢を立て直しコースへと復帰するが、ポジションを1つ落とし9位となった。ここから3周目までは8位を走るO・ウェッブの背後に付け、ポジションアップの機会を窺うという展開となった。しかし、4周目に入った頃に突如としてコース上に大粒の雨が。ここで賭けに出たチームは中嶋をピットへと呼び、ウェットタイヤへと交換をすることに。トップテンを走行していたドライバーの中では唯一のピットインとなった。4周目の終わりにピットインをした中嶋は、タイヤ交換でのタイムロスもあり一時は19位までポジションを落としてしまうが、ここからウェットタイヤのメリットを活かして猛アタックを開始する。ピットインを終えた後、実質的なターゲットとなったのは同じくウェットタイヤへの交換をしたハイテックのG・ディアス。彼は中嶋よりも約20秒短い時間でタイヤ交換を終え、ピットストップ終えた翌周の5周目には中嶋の約17秒前方を走っていたが、中嶋は1周当たり約2秒ずつギャップを縮めて行くと、15周目の第1コーナーでインサイドに並びオーバーテイク。ここで順位を11位まで上げた。最終ラップに入った時点では、ドライタイヤのまま走行を続けていた10位のW・ブラーまでは約30秒という大きなギャップがあったものの、なんとこのブラーが最終ラップのストウコーナーでマシントラブルによってリタイヤ。中嶋は最後の最後でポイント圏内の10位に浮上し、第1レースを終えた。

日曜日はこの週末で唯一安定した気候に恵まれ、降雨のない1日となった。第2レースの結果により、中嶋はこのレースを10番手グリッドからスタート。多くのポイントを獲得出来る可能性も十分にあるレースであったが、スタートでクラッチトラブルに見舞われてしまう。シグナルが消えた瞬間の動き出しは良かったものの、その直後に中嶋は駆動力を失い、2コーナーの進入までスロー走行。2コーナーへと差しかかったところでようやく駆動力を取り戻すが、オープニングラップを終えた時点で19位まで順位を落としてしまう。このレースではロッキンガムで行なわれた第5戦の第2レース以来のピットストップが義務付けられていたが、オープニングラップで大きくポジションを落とした中嶋はコース上でのトラフィックをなるべく回避するため2周目を終えたところでピットへと向かった。しかし、中嶋はここでピットボックスを離れる際にストールを喫し、1つポジションを落としピットレーンを後にした。ピットストップを終えた直後の3周目から5周目まで、単独で走行していた間は上位陣と遜色ないペースで走行していた中嶋であったが、6周目に前を走るグループを捕まえてからはなかなか自分のペースで走行する事が出来ない。結局、全ての車両がピットストップを終えた段階でオープニングラップ終了直後と同じ19位までポジションを戻したが、オーバーテイクによってそれ以上ポジションを上げる事は出来ず、そのまま11周のスプリントレースを終えた。

日曜午後に行なわれた第3レース。第2レースのスタートで起きたクラッチトラブルを受けて、チームはいくつかの部品を交換し対策をしたものの、なんとこのレースでも同じトラブルに悩まされることとなる。このトラブルによって、中嶋は10番手グリッドから14位まで順位を落としオープニングラップを終える。続く2周目と3周目には後続で起きたアクシデントによってセーフティーカーが導入されるが、リタイヤしたマシンの回収は素早く終わり、4周目に再びスタートが切られた。この際、9位を走行していたC・ムニョスがバックストレート直前のベケッツコーナーでスピン。中嶋はこの影響を受けスローダウンした数台のマシンをパスし、11位までポジションを取り戻した。このままなんとかポイント圏内まで順位を上げたい中嶋であったが、ペースも思うように上がらず、なかなかポジションを上げるチャンスを見出せないまま周回を重ねて行く。結果的には懸命なプッシュも実らず、ポイント圏外の11位で40分間の長いレースを終えた。このレースはカーリンのJ・E・ヴァーニュが優勝し、さらにフランス人初となるイギリスF3選手権の年間チャンピオンも獲得する結果となった。

中嶋大祐コメント

第1レースではスリックタイヤでスタートした直後に突然雨が降るという状況の中、チームの判断でピットストップを行ない、ウェットタイヤへと交換しました。レース中盤で少し路面がドライコンディションに近づいてしまった時があり、結果的にはこの作戦は成功しませんでしたが、ウェットタイヤへと交換したメンバーの中では最上位でフィニッシュする事が出来ましたし、一時は19位まで落としたポジションも10位まで挽回する事が出来たので、少なくとも内容的には悪くないレースだったと思います。

第2レースと第3レースではどちらもスタートでクラッチにトラブルが出てしまい、オープニングラップで大きく順位を落とすレースとなってしまいました。第2レースの後、チームはクラッチトラブルに対処するために出来る限りのことをしてくれたのですが、第3レースでも同じ症状が出てしまいました。 今シーズンも残り2ラウンドとなりました。まだ納得のいく結果を残せていない苦しい状況が続いていますが、少しでも良い形でこのシーズンを終える事が出来るように精一杯頑張ります。