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レースレポート

2010 英国F3 第9戦 スネッタートン

予選

日付:2010年8月29日(日)
天候:晴れ時々雨

ベストラップ:5位
セカンドベストラップ:4位

本来の調子を取り戻し、決勝に向け期待の持てるグリッドを獲得

中嶋大祐コメント

今回は金曜日の段階からセットアップもある程度まとまり、チーム全体で落ち着いて予選に臨む事が出来ました。トップを狙うにはまだまだ足りない部分がありますが、ひとまず多くのポイントを狙う事の出来るグリッドを獲得する事が出来て良かったです。ここ最近は下位からのスタートが多かったためアクシデントに巻き込まれることも多く、なかなかまとまったポイントを獲得できないレースが続いていましたが、今回はこれまでの悪い流れを変える事が出来るような良いレースをしたいと思います。

決勝

日付:2010年8月29日(日)、30日(月)
天候:8月29日:晴れ時々雨 8月30日:雨のち晴れ

決勝スターティンググリッド
第1レース:4位/第2レース:2位/第3レース:5位

決勝結果
第1レース:5位/第2レース:4位/第3レース:4位

本ラウンド終了時のランキング:8位

表彰台こそ逃すが、全てのレースで上位フィニッシュを果たす

決勝概要

祝日の影響で、普段とは異なり日曜日と月曜日にスネッタートンサーキットで行なわれた第9戦。サーキットは2日間を通して猫の目のように変化する不安定な天候に見舞われ、各チーム、ドライバーを悩ませた。

予選が行なわれた午前中には晴れ間に恵まれていた日曜日であったが、午後になるとサーキットを突然の大雨が襲った。この影響でサポートレースが赤旗で一時中断され、それに従い決勝第1レースは予定よりも30分程遅れてスタートが切られる事になった。4番手グリッドからスタートした中嶋は滑りやすいコンディションの中良いスタートを決め、まずは動き出しで3番手グリッドのJ・カラードをパス。さらに、そこからの加速で2番手グリッドのJ・E・ヴァーニュをもパスし、1コーナーまでに2位に浮上する。しかし、ヴァーニュをパスした際にイン側へ追いやられた中嶋は、1コーナーへのアプローチで大きく減速せざるを得ず、アウト側から良いラインを取ったチームメイトのF・ナスルに2位のポジションを奪われ3位へ。3位でオープニングラップを終えた中嶋であったが、続く2周目バックストレートエンドでのブレーキングでフロントタイヤをロックさせ痛恨のオーバーラン。シケインをカットする形でコースオフをしてしまう。中嶋の背後を走っていたヴァーニュも同じタイミングでコースオフを喫したが、そこでポジションを1つアップしたヴァーニュとは対照的に中嶋は6位までドロップ。3周目からは4位、5位を走るJ・カラードとO・ウェッブのグループを追う形となった。しばらく背後で様子を窺う展開となったが、9周目にウェッブがカラードの前に出た後、12周目にバックストレートエンドのブレーキングで中嶋もカラードをオーバーテイク。これで5位までポジションを回復した。

レースのスタート前には完全なウェットコンディションであったサーキットも、スタート直後に顔を出した太陽によって急速に乾き始め、レース中盤に差し掛かった頃にはピットストップを行ないスリックタイヤへの交換を行なうドライバーも現れた。中嶋を含め、ウェットタイヤのまま走行を続けていた上位陣はレース終盤になるとタイヤにブリスターを抱え、我慢の走りを強いられてしまう。スリックタイヤへの交換を行なったドライバーの中で最上位を走っていたW・ブラーは、一旦は最後尾までポジションを落としたものの、トップグループと比較して1周当たり3秒から4秒も速いペースで猛然と追い上げ、最終ラップには7位までポジションアップ。中嶋の約1秒後ろまで迫るが、中嶋はなんとか5位のポジションを守り切ってチェッカーフラッグを受けた。このレースをトップでフィニッシュしたのはJ・E・ヴァーニュ。3位から追い上げを果たし、優勝を飾った。

月曜日の午前に行なわれた決勝第2レース。第1レースの結果を受けて、中嶋は2番手グリッドからのスタート。レース直前まで降り続いていた雨によって路面は完全なウェットであったが、それと同時にサーキット上空には青空が広がり、暖かい日差しが路面上を照らすという、第1レースに似たコンディションとなった。しかし、全車がウェットタイヤでスタートした第1レースとは異なり、グリッド上トップ8台の内、ポールポジションのディアス、2番手の中嶋、4番手のナスル、5番手のブザイドがウェットタイヤを選択し、それぞれ3番手、6番手、7番手、8番手のウェッブ、ヴァーニュ、ブラー、カラードがスリックタイヤを選択するという、興味深い状況の中でスタートが切られた。まずまずの加速を見せた中嶋は2位のポジションを保ったまま1コーナーへ。そのまま他のコーナーもミスなくまとめると、トップとコンマ6秒差でオープニングラップを終えた。その後もトップと1秒以内の差をキープしながら周回を重ねて行くが、7周目を終えた辺りから徐々に3位を走るブザイドに背後を脅かされるようになる。そして9周目の2コーナー、僅かに空いた中嶋のインサイドをブザイドが突き、ポジションが入れ替わった。これで3位となった中嶋は、この後ブザイドのペースには付いていく事が出来ず周回ごとに差を付けられてしまうが、1つ後ろのポジションを走行していたチームメイトのナスルに対しては1.5秒ほどの差を保ち周回を消化していく。久々の表彰台も目前であったが、チェッカーまで残り2ラップとなった17周目に思わぬ形で伏兵が登場する。スリックタイヤでスタートしたドライバーの内、ヴァーニュやカラードを含む大半はスタート直後に大きくポジションを落とし、トップグループから大きな差を付けられていたが、唯一ブラーはレース前半のタイムロスを最小限にとどめ、レース終盤にはトップグループよりも1周当たり2秒近く速いラップタイムを記録しながらポジションを次々と上げて行った。ブラーは17周目に4位を走行していたナスルの背後に付くと、難なくパス。さらに最終ラップである18周目のホームストレートでは中嶋の背後にピタリと付け、1コーナーの立ち上がりでオーバーテイク。これで中嶋は4位となり、惜しくも表彰台を逃す悔しい結果となった。このレースを優勝したのは、ハイテックのG・ディアス。

決勝第3レースが行なわれた月曜午後は唯一安定した天候に恵まれ、完全なドライコンディションとなった。このレースは全38周というF3のレースとしては非常に多い周回数で行なわれたが、安定したコンディションだったという事もあり、全体的に動きの少ない単調なレースとなった。5番手グリッドからスタートした中嶋は、良い加速を見せるとチームメイトのナスルを1コーナーまでにパス。これで4位に浮上した。さらに2コーナーからの加速で3位を走るカラードの背後に付けると、3コーナーへの進入では半車身だけインサイドに滑り込ませる事に成功するが、ここではオーバーテイクならず。逆に、続く4コーナーに向けてカラードに詰まる形でスピードを落とさざるを得なかった中嶋のインサイドにナスルが飛び込み、両者のポジションが一旦入れ替わる。しかし、4コーナーの立ち上がりで僅かにアウトに膨らんだナスルに対してクロスラインを取った中嶋は再びポジションを取り戻し、4位でオープニングラップを終えた。この後、5位を走るナスルに対してある程度のギャップを築いた中嶋はレース序盤こそなんとか3位のカラードに付いていったものの、10周目を過ぎた辺りから徐々に差を付けられ、レース中盤から終盤にかけては完全に単独での走行となった。結局、終盤に周回遅れの車が現れて各車間のギャップが変動した以外にはコース上に大きな動きはなく、中嶋はこのレースを4位でフィニッシュした。優勝は、カーリンのA・ブザイド。

中嶋大祐コメント

残念ながら表彰台には届きませんでしたが、今回はアクシデントに巻き込まれる事もなく多くのポイントを獲得する事が出来ました。早いもので次戦はもう最終戦となります。自分たちの想像よりもはるかに苦労してしまった今シーズンでしたが、最終戦ではこれまで経験してきた事の集大成となるような結果を出す事が出来るように一生懸命頑張りますので、ご声援を宜しくお願いします。