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レースレポート

2010 英国F3 第10戦 ブランズハッチ

予選

日付:2010年9月25日(日)
天候:晴れ

ベストラップ:10位
セカンドベストラップ:9位

セッション後半の不運に泣く

中嶋大祐コメント

今回はフリー走行無しでいきなり予選のアタックをするという形でしたので、出来る限り早くペースを上げる事が出来るように集中していました。それに関しては上手く行き、1セット目のアタックが終わった時点では3番手に付ける事が出来ていましたが、2セット目のアタック中には悪いタイミングでピットからペースの遅い車が出てきたため、アタックのリズムを乱されてしまいました。その段階ではまだまだタイムを更新出来る可能性は十分にありましたが、セッション最後の5分間はコース上でイエローフラッグが継続的に出されていたため、結果的に1セット目のタイヤで記録したタイムが自分のベストタイムとなってしまいました。

決勝

日付:2010年9月25日(土)、26日(日)
天候:9月25日:晴れ 9月26日:曇りのち雨

決勝スターティンググリッド
第1レース:9位/第2レース:9位/第3レース:10位

決勝結果
第1レース:9位/第2レース:8位/第3レース:リタイヤ

本ラウンド終了時のランキング:11位

悔しい結末の最終ラウンド

決勝概要

2010年シーズン最終戦となる第10戦はイギリス屈指の難コースとして有名なブランズハッチGPサーキットが舞台となった。

暖かい陽光の下、土曜日の午後に行なわれた決勝第1レースを中嶋は9番手グリッドからスタート。良いスタートを切るが、第1コーナーであるパドックヒル・ベンドで行き場を失った際にJ・ジャファーにポジションを奪われ、一旦10番手に落ちてしまう。しかし、その後第6コーナーで8位を走行していたJ・E・ヴァーニュとジャファーが軽く接触。この間隙を縫って中嶋は9位に再浮上する。結果的にスターティンググリッドと同じ9位でオープニングラップを終えた中嶋は、前を走る5位グループにピタリと付け周回を重ねて行った。前を走っていた数台よりもペースは勝っていた中嶋であったが、中高速コーナーの繰り返しであるこのサーキットの特徴上、オーバーテイクは非常に難しく、我慢のレースを強いられてしまう。結局オープニングラップからチェッカーフラッグまで、タイミングスクリーンの上ではトップ11台の中で一度もポジションの変動が起こらないという、エキサイティングとは言い難い内容で23周のレースは幕を閉じた。優勝はフォーテックのO・ウェッブ。

日曜日の午前に行なわれた第2レースは、第1レースのフィニッシュ順位に基づき9番手からのスタート。良いスタートを切った後、第2コーナーでスピンを喫した車両をかわし8位に浮上すると、続く第3コーナーへ向けてO・ウェッブのインサイドに並ぶ形で進入していく。しかしここはスピードを乗せてアウトサイドを通ったウェッブが中嶋を抑え、ポジションの変動は起こらなかった。オープニングラップ以降は第1レースと同じく比較的単調な展開となり、コース上での順位変動はほとんど見られなかった。中嶋は第1レースに比べ若干ペースで苦しみ、前を走るウェッブに対してプレッシャーを掛けるまでには至らず、15周のレースを単独8位でフィニッシュした。優勝は、フォーテックのD・マッケンジー。

日曜日の午後に行なわれた第3レースは、不安定な天候により非常に興味深いものとなった。フォーメーションラップ開始の直前に降り始めた雨は路面を濡らし、コース上はハーフウェットのコンディションとなる。フォーメーションラップが終わった段階で数台はウェットタイヤへと交換する賭けに出たが、中嶋を含む大多数はスリックタイヤのままスタートを切った。中嶋はオープニングラップをスタート順位と同じ10位で終えると、2周目には滑りやすいコンディションの中チームメイトであるF・ナスルを第5コーナーへの進入でアウトサイドからオーバーテイクし9位に浮上する。その後はしばらく前を走るJ・ジャファーの真後ろに付けプレッシャーを与え続けるが、なかなかポジションを上げるチャンスを見出す事が出来ずにいた。

スタート直後には1分34秒前後だったラップタイムも8周目を終えた時点では1分22秒ほどとなり、かなりドライコンディションへと近い状況となっていた。この頃になると、レースのスタート時にウェットタイヤへの交換をしたメンバーの内、一部は再びスリックタイヤへの交換を行った。しかし、この直後に再び大きくコンディションが変わる事になる。9周目に入った頃コース上空は雨雲に覆われ、スタート時よりも強い雨が降り始めた。コースの前半は問題なくプッシュしていた中嶋であったが、コース後半の第8コーナーに差し掛かったところで突如濡れた路面に足元をすくわれ、タイムロスをしてしまう。なんとかスピンやコースアウトは免れたものの、ここでポジションを2つ落とし11位へと後退してしまう。この9周目から雨の量はどんどんと増え続け、ラップタイムが再び1分34秒前後まで落ちた15周目にはトップを走っていたJ・カラードと2位を走っていたW・ブラー、8位を走っていたF・ナスルがピットへと入りウェットタイヤへの交換を行った。さらに16周目と17周目にはG・ディアスとJ・ジャファー、O・ウェッブがタイヤ交換を行い、この時点でスリックタイヤのままレースを走り切る作戦を取ったD・マッケンジー、C・ウエルタス、A・ブザイドに続き中嶋は4位まで浮上する。しかし不運にもその後雨脚が弱まる気配はなく、ウェットタイヤを装着したドライバーたちとのラップタイム差は周を追うごとに広がってしまう。スリックタイヤで走行していたドライバーの中では一番速いラップタイムで周回を重ねていた中嶋であったが、ウェットタイヤを装着したドライバーたちを抑える事は出来ず、24周目には10番手までポジションを落としてしまう。それでも同じくスリックタイヤで走行していたA・ブザイドの背後まで迫った中嶋は、一つでもポジションを上げるべくプッシュを続けていた。しかし迎えた25周目、第2コーナーでリアのグリップを失った中嶋は車体後部をグラベルに落とす形でストップ。再スタートは叶わずここでリタイヤとなった。今シーズン最終レースとなるこのレースを優勝したのは、カーリンのJ・カラード。

中嶋大祐コメント

結果的には予選で良いポジションを獲得できなかった事が全てとなってしまいました。最後のレースでも、後半にかけて雨が弱まれば違った展開になっていたと思いますが、残念ながらそうはなりませんでした。
今シーズンは開幕前の状況からは想像もつかないほど苦戦した1年となってしまいました。ご期待に応える事が出来ず悔しく申し訳ない気持ちでいっぱいですが、昨年も含めこの2年間イギリスで経験したことは今後に向けて掛け替えのない貴重な糧になると思っています。今シーズンのレース活動をするにあたって支援をして頂いた全ての方には感謝の気持ちでいっぱいです。この経験を今後最大限活かす事が出来るように、サーキットではもちろんのこと、それ以外の場所でも精一杯の努力を続けていきたいと思っています。