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レースレポート

2012年 SUPER GT 第8戦 MOTEGI GT 250km

「MUGEN CR-Z GT」完走でシーズンを締めくくる!
予選

日付:2012年10月27日(土)
天候:晴れ
観衆:12,500人(主催者発表)

予選結果
Q1:11位/Q2:9位/Q3:9位

#16 MUGEN CR-Z GT(武藤英紀/中嶋大祐組)は、10月27日〜28日にツインリンクもてぎ(栃木県)で開催されたSUPER GTシリーズ第8戦に参戦した。シリーズ第4戦でデビューし、2012年シーズンの最終戦である今回で5戦目となった。

最終戦に向けて、チームはエンジンルーム内の断熱処理、冷却系の取り回しなどに改良を加えた。また、気温低下に伴い、ルーフ上に突き出す形で設けられていたドライバー冷却用のインテークを取り除き、空力性能を改善した。キャビン内にはバッテリーやインバーターなど発熱するコンポーネントが搭載されているため、夏期はキャビン内の温度抑制がひとつの課題だったのだ。

シリーズ最終戦のこのレースでは、これまで蓄積していたウェイトハンディが一律取り除かれて開催されるが、競技規則によりシリーズ途中から参戦したチームにはこれまで獲得したポイント1点につき2kgのウェイトハンディが課せられるので、#16 MUGEN CR-Z GTは24kgのウェイトハンディを義務づけられた。

公式練習15位

ツインリンクもてぎは秋晴れに恵まれた。前半を武藤選手、後半を中嶋選手がステアリングを握り練習走行を行った。周回数はそれぞれ19周。やはりウェイトハンディを下ろしたチームのマシンは速く、とりわけFIA-GT3クラスのマシンはレギュレーション上エンジンのパワーを出しやすく、圧倒的なタイムを記録する。

#16 MUGEN CR-Z GTは、本来の性能を発揮して公式練習セッションを走り終えた。この間決勝レースに向けた各部の確認、調整が行われた。ベストタイムは、武藤選手が記録した1分52秒460。中嶋選手のベストタイムは1分52秒782であった。

公式予選9位(Q1:11位/Q2:9位/Q3:9位)

公式予選に向けて、1周ですべての充電を使い切る予選用セッティングが施された。公式予選は全マシンが参加するQ1と、Q1の上位16台のみが出走できるQ2、Q2の上位10台のみが出走できるQ3を経てスターティンググリッドが決まるノックアウト方式で行われた。規則により2セッション連続で同一選手が走行することはできない。

いつものようにQ1は武藤選手が担当、コースインして2周かけてタイヤを暖めると、公式練習で記録したタイムを上回る1分51秒360を記録しピットへ戻った。このタイムはセッション終了時点でクラス11位にあたりQ2への進出を決めた。

Q2は中嶋選手が担当した。秋深まるツインリンクもてぎでは、日射が陰ると路面温度が急激に低下する。中嶋選手は先頭でコースインすると2周かけてタイヤを暖めタイムアタックにかかった。タイムは武藤選手がQ1で記録したタイムを上回る1分50秒934。セッション後半ライバル車がタイムを縮めていったが中嶋のタイムはセッション終了時点でQ3進出が許される10車中9位であり、第6戦以来のQ3進出が決まった。

武藤選手はQ3でこの週末のベストタイムである1分50秒629を記録した。この結果、#16 MUGEN CR-Z GTは9番手から決勝スタートを迎えることになった。


決勝

日付:2012年10月28日(日)
天候:雨
観衆:27,000人(主催者発表)

距離:4.801km×53周(254.469km)
決勝結果:11位

フリー走行10位

日曜日、フリー走行が始まった段階では曇天ながらコースはドライコンディションだった。チームはマシンを再び決勝レース用のセッティングに戻し、ドライコンディションを想定してドライタイヤを装着してコースに送り出すと決勝セッティングを確かめた。フリー走行セッション終盤から雨が落ち始め、その後の“サーキットサファリ”セッションではウェットコンディションとなったため、レインタイヤを装着してコースイン、雨用セッティングの確認も併せて行った。

決勝11位(50周 1時間46分10秒954 ベストタイム:2分01秒061)

決勝は小雨が降る中、セーフティカー先導によりスタートした。2周のセーフティカーランの後セーフティカーは退き、戦いが始まった。9番手スタートの武藤選手は、3周目に順位を8番手へ上げて周回を重ねた。

9周目に9番手へ後退するが14周目には再び8番手へ復帰、17周目に9番手と一進一退のレースとなる。武藤選手は後方からの追い上げに耐えて9番手を守ったが、22周目に11番手、23周目に12番手へ後退、27周を終えてピットへ戻り、中嶋選手に交代した。

中嶋選手がコースに復帰した段階で、順位は15番手だったが、34周目には14番手に上がり、35周目には前を行くマシンを追い抜いて13番手、38周目には上位マシンがリタイアしたため12番手と順位を上げた。中嶋選手は前方のマシンを追い上げ続け、最終ラップにさらに1台を追い抜いて11位でフィニッシュしたが、惜しくも3戦連続のシリーズポイント獲得はならなかった。


中嶋大祐コメント

まず予選は、ウェイトハンディのこともあって苦戦を予想していたんですけれども、今回持ち込んだセットアップがうまく機能して思った以上のラップタイムをQ1、Q2、Q3と記録することができました。ぼく自身も非常に緊張しましたが、自分の中で満足できる走りが出来てQ2を突破し武藤さんにつなぐことができました。決勝は、やはりオートポリスから引き続きウェットのグリップが少し足りていなくて、そこが今回も走っていて課題でしたね。やはりライバルと同等以上のタイムを出そうとするとリスクが大きくなってコースアウトの危険が増してしまうんです。レース終盤、前に5号車がいて、少しずつ追い上げている状況でした。たぶん相手が少しミスしたのだと思いますがスピードが鈍ったので最終ラップの第1コーナーで比較的容易に追い抜くことができました。後で聞いたらもう数秒先を走っているクルマもいたようで、そこまで行ければよかったなと心残りです。でも無理は出来ない状況だったのも事実で、1回、行きすぎてオーバーランもしているんです。今シーズンを振り返ると途中参戦であっという間でした。まだ1シーズン戦ったという気はしません。でもその間、毎回毎回新しい経験をしてきました。シェイクダウンからチームと仕事をしてきてちゃんと正しい方向へ進んできたなという実感があります。今はレギュレーション上の限界があって我慢もしなければいけない部分がありますけれども、その中でよい方向へ来たと思います。ハイブリッドという新しいシステムの開発は、機会にめぐまれないと経験できないものですし、ありがたいし自分にも大きな経験になりました。開発している人と会話して自分たちが感じたことを伝えてそれを形にしてもらってレースをする、という作業は非常に勉強になりました。

(TEAM無限プレスリリースより)