DAISUKE NAKAJIMA

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データシート

2008年全日本F3選手権

第13戦&第14戦・ツインリンクもてぎ

距離:4.801km×14周(第13戦)、20周(第14戦)
予選・第13戦決勝:8月 9日 晴れ・観衆: 5,400人(主催者発表)
第14戦決勝:8月10日 晴れ・観衆:15,000人(  同  )

安定した走りで、レース中のタイムもアップ。

第13戦予選 9位  第14戦予選 8位
第13戦決勝 8位  第14戦決勝 7位

今季2回目のもてぎ開催。初の真夏のもてぎレースとなった。
今回は、マシンバランスが安定し、レースタイムがアップ。多くの収穫がある2レースとなった。

予選中は陽射しが照り付けていたが、
決勝は2戦とも曇天となり、路面温度も下がる。

ピットウォーク時はピット前にて、ファンの方にサイン。

全日本フォーミュラ3選手権(第13・14戦)が8月9〜10日に開催された。都心に比較的近いツインリンクもてぎで行われた今大会には、夏休みの真っ只中ということもあり、子供連れの観客が詰め掛けた。 レースウィークが始まる金曜日は晴天に恵まれ、マシン、チーム、ドライバーにとっては灼熱の太陽との戦いにもなった。午前中のセッションから温度計は30℃をマーク。アスファルトの照り返しで、体感温度はそれ以上だ。

中嶋大祐はこの練習走行のセッションを8番手と、ここ数戦と同様のポジションをマークしたが、トップとのタイム差は着実に縮まってきている。新品タイヤでのタイムアタックでは9番手だったがユーズドタイヤでのバランスは安定しており、レースに向けても好材料が見つかっていた。「前のレースまでは、悪いところがあるのは分かっていても、それが複雑でハッキリと見えなかった。今回も、まだまだ改善すべき点はあるけど、それがハッキリ見えているからモチベーションの高さが違う」と中嶋も意欲的だ。 土曜日も、朝からじりじりと照りつける日差しの強さは変わらない。公式予選開始は11時15分のオンタイム。気温は34℃まで上昇した。1本目のニュータイヤでピットを出て行った中嶋はアタック開始からどんどんとタイムを削っていく。 全日本選手権クラスの占有時間が始まる前にピットへ戻り、2本目のタイヤを装着。ラストアタックに備えた。金曜日から、新品タイヤでのバランスに少し難のあった中嶋は、8番手タイムをマーク。第13戦のスターティンググリッドを決めるセカンドベストタイムは9番手だった。

 夕方も近くなると、カラリと晴れていた空が一変。今にも雨が降り出しそうな空に、気温・路面温度も一気に下がった。午後3時35分、第13戦決勝がスタート。中嶋は9番グリッドからのスタートだったが、前のマシンがトラブルによりレースを棄権したため、実質は8位スタートである。 毎回中盤グリッドからのロケットスタートで順位を上げていく中嶋だが、今回も動き出しは良かったものの、スピードが乗らず、するすると他のマシンに抜かれていった。実はスタート時にクラッチのつながりが悪く、エンジンパワーが上手く駆動につながらなかったのが原因。1コーナーを回るまでには症状が回復したため、レーススピードに乗せることができたが、この時点で2つポジションを落としてしまった。  1周目を10位で終えた中嶋。前には2台、ナショナルクラスのマシンがいるが、2周目、3周目に続けざまにパス。全日本選手権クラスのマシンを3秒6の差で追いかけ始めた。 前のクルマに比べペースが速く、3秒以上あった差はみるみる1秒まで縮まってくる。タイヤの減ってきたレース後半も、ペースが大きく変わることはない。最終的にコンマ5秒までその差を詰めてチェッカーを受けた。 「レース前半を重視したマシンセッティングにしたので、後半に落ちてくるのは分かっていましたが、それでも思ったよりもペースが落ちなくて」とレース後に語る中嶋の表情は心なしか明るい。順位は8位といつもどおりだが、全体でも5番手タイムとなる自己ベストをマーク。その内容は明らかに違うものだった。 翌日曜日も、8番手からのスタート。前日の挽回か、2台をパスする勢いで好スタートを決めポジション争いを繰り広げたが、1つポジションを上げてオープニングラップを終えた。序盤は前のマシンを追いかけるが、路面コンディションも影響したか一時少しペースが下がったものの、周回を重ねていくうちに、路面とタイヤのコンディションが整ってくると徐々にペースアップ。前との差は1秒近くまで詰められていった。 最後までプッシュの手を緩めなかった中嶋は、残り1周のところで、自己ベストをマーク。7位でレースを終えた。  残りは4レースになったが、ここからの展開が非常に楽しみになってきた。

中嶋大祐選手コメント

「金曜日からユーズドタイヤでのバランスがよく、レースに向けても良い感触を得ていました。自分でも楽しめるレースができましたが、今までとは違うレベルでのレースの勉強も必要だと感じました。予選でもっと前に出ていれば、その順位でゴールできたかもしれない、と思えましたし、予選に関しての突き詰め方ももっと鋭くやっていける。そういう風に感じました。とにかく、今までやってきたものがじわじわと実ってきて、それがようやく内容に表れてきました。チームの雰囲気も高まってきているので、あらためてここからスタートしていきたいです。」