DAISUKE NAKAJIMA

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データシート

2007年フォーミュラチャレンジ・ジャパン(FCJ)

第9戦&第10戦・鈴鹿サーキット・フォーミュラ・ニッポン第5戦

距離:5.807km×12周+17周
第5回公式合同テスト  :7月6日 晴れ ・観衆   − 人( 未発表 )
公式予選&第9戦決勝  :7月7日 雨時々曇り・観衆  10,500人(主催者発表)
第10戦決勝      :7月8日 晴れ ・観衆  16,800人(主催者発表)

第9戦鈴鹿 3回目のポールtoウイン!

第9戦予選 1位  第10戦予選 4位
第9レース 1位 第10レース4位

ウエットコンディションの予選でポールをゲット!

第4戦以来、3度目のポールtoウイン。

第10戦は予選4位、決勝4位。

『雨の鈴鹿』が良い経験になった。

7月7〜8日、フォーミュラチャレンジ・ジャパン第9戦・第10戦が鈴鹿サーキットで行われた。この鈴鹿は今シーズンの開幕戦を争ったコース。すでに8戦を戦い自分がどう強くなってきたのかを計るには絶好のシチュエーションというわけだ。さらに、中嶋大祐にとってはFCJでの初ポールポジション、初優勝を飾った地。ここ数戦続いている悪い流れを断ち切るにはゲンのいいサーキットには違いない。 しかし、レース直前に行われた公式合同テストでは、木曜日にクラッシュを喫し、ドライコンディションでの1セッションをフイにしてしまい、金曜日はタイムが上がらず総合順位で下位に沈んでしまう。富士から持ち込んだような負の連鎖は、勝負を決める大事な練習セッションまで途切れることがなかった。 それでも、「中嶋は、予選や決勝本番でしっかり結果を出せるように(コンディションを)合わせてくるのが上手い」という、他のFCJドライバーの言葉通り、土曜日午前中に行われた公式予選では見違えたような速さを披露した。

土曜日は、前日夜に降った雨の影響で路面は濡れていた。予選の1回目が始まる直前に霧のような弱い雨も降り始め、完全なウェットコンディション。15分しかない予選セッションでは、少しでも多く走りこみ、十分にタイヤを暖めた上で渾身のアタックをするしかない。ピットを1番に飛び出していった中嶋は、じっくりとウォームアップを行ってからアタックに入った。計測4周目で、その時点での5番手タイムをマーク、セクター1の区間ではセッションベストのペースで走っていた。更にタイムを縮め3番手に浮上、セッション終了を告げるチェッカーフラッグがおろされる寸前に、最後の最後のアタックに入った。この時点でのトップタイムは2分22秒971。中嶋のマークしているタイムからはコンマ3秒ほどのギャップがあった。が、この最終ラップで中嶋はベストパフォーマンスを披露、2分22秒707のトップタイムをマークした。これで、土曜日午後に行われる第9戦の決勝は、ポールポジションが決定。中嶋にとっては第4戦富士以来の3度目のポールポジション獲得となった。 インターバルをはさんで2回目の予選開始。このインターバルの間も霧雨は降り続き、ウェットコンディションは変わらなかった。中嶋はこのセッションでも好アタックを見せたが、周りも必死になってタイムアップ。2戦連続のポールポジションは逃したが、表彰台の見える位置、きっちりと4番手につけた。 第9戦決勝は、土曜日の午後に行われた。すでに雨は止み、他のカテゴリーのセッションも行われた後だったので、コース上はほぼドライ、全車スリックタイヤで決勝に臨んだ。中嶋のスタートするポールポジションはコースのアウト側。走行ライン上なので完全に乾いた場所だ。ここから中嶋は上手くスタートを決めて1コーナーをトップで入っていく。後ろでは2番手スタートドライバーの加速が遅れ、中嶋を追いかけるのは3位から好スタートを決めたマシンだった。序盤は相手のほうがペースが良く、コース後半、特にバックストレートエンドではグッと差が詰まってしまう。スプーンカーブでの使用ギアが他のドライバーと違っていたため、立ち上がりでの加速が伸びず、1周目にはコンマ6秒だった差が、2周目にはコンマ3秒に。しかし、ここで踏ん張って後ろを押さえきると、レース後半に徐々にペースアップ。さらに9周目には2番手のマシンが立体交差を過ぎた辺りでコースアウトし、これで大きなマージンができた中嶋は落ち着いた走りで残り3周を走行。完全なポール・トゥ・ウィンで3勝目を挙げた。

明けて日曜日の第10戦決勝。土曜日とは打って変わって、30℃を越える真夏日となった。夏らしい、痛いぐらいの日差しの中で決勝はスタート。前のマシンが1台出遅れた形で、4番手スタートの中嶋は1つポジションを上げて1コーナーを回っていった。しかし、2番手との差は一気に開き、逆に後ろにつつかれる形で、2周目のヘアピンコーナーではポジションを元に戻してしまった。ペースはその後も上がらず、踏ん張ってポジションを守っている状態での周回が続いていく。FCJではレギュレーションにより、セッティングの調整は不可能。唯一いじることができるのはタイヤの内圧調整だけなのだが、中嶋はこれを低めに設定。しかし思ったより路面温度が上がらず、ベストな状態まで上がってくるのが遅かったために前半ペースが上がらなかったのだ。コンディションにマシンが合ってきた後半は、相手を少しずつ離していく展開に。3番手からは既に大きな差が開いていたため残り10周ほどという短い間では追い上げはかなわず。そのまま17周を走りきり4位入賞を果たした。しかし、連続表彰台こそ逃したものの、「前回までの悪い流れは断ち切れたように思う」という中嶋の表情は明るい。シリーズの半分を終えて、FCJではマシンのシャッフルが行われる。メンテナンスガレージも変わり、次戦からは新たな気持ちでシリーズに臨めるはずだ。

中嶋大祐選手コメント

「木曜、金曜と調子が悪く、流れは断ち切れていないのかとも思いました。でも、今までFCJでは走ったことのなかった『雨の鈴鹿』というコンディションになったことが、結果としては流れを変えるきっかけになったと思います。 予選から上手く流れを取り戻せたのが3勝目につながりました。2連勝できれば完全に流れを取り戻せるかと思っていたので、第10戦の結果は少し残念ですが、今までと違って悪かった部分が自分の中で整理できたので、いくらかポジティブな気持ちでいられます。 次のレースまでは結構時間が空いていますが、このポジティブな気持ちを保っていきたいです。」