DAISUKE NAKAJIMA

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データシート

2008年全日本F3選手権

第3戦&第4戦・オートポリス

距離:4.674km×14周+20周
公式予選&第3戦決勝:4月26日 曇りのち晴れ・観衆:1,612人(主催者発表)
第4戦決勝:4月27日 晴れ・観衆:3,788人(  同  )

九州オートポリスで初レース

第3戦予選 9位  第4戦予選 9位
第3戦決勝 リタイヤ  第4戦決勝11位

オートポリスで単独開催となったF3。

木、金のテスト、公式練習ではなかなか
目指すフィーリングで走れない。

予選はRd.3.4とも9位グリッド。
予選の土曜日は強風が吹きつけ気温、路面温度も下がる。

多くのF3フアンがオートポリスを訪れた

全日本フォーミュラ3選手権(第3・4戦)が、4月26〜27日に開催された。舞台は九州、オートポリス(大分県)。今回はF3の単独イベント(併催イベントとして2輪耐久レースが開催)だったが、昨年はマカオでのF3世界一決定戦で上位5台を占めるなど世界的にレベルの高い全日本選手権を、一目見ようと多くの観客が集まった。 木曜日の合同テスト、そして金曜日の公式練習ではマシンのセッティングで新たに変更した部分が仇となってしまいなかなか目指すフィーリングを得ることができなかった。さらに、トラブルも発生しニュータイヤを履いてのアタックを満足に行うことができなかったため、トップとは非常に大きな差が付いてしまった。  山の上に位置するオートポリスは、天気が変わりやすい。木・金と晴天が続いていたが、公式予選と第3戦決勝が行われる土曜日は強風の吹きつけるコンディションとなった。セッション序盤はホームストレート上で追い風。前日までと比べて大きく気温・路面温度ともに下がっていた。

セッティング変更のできないワンメイクマシンを使っていたFCJと異なり、F3ではマシンを速い状態に仕上げるセッティング能力も求められることになる。タイムが出ないのは、ドライバーの腕なのか、マシンのバランスなのか。今まで以上に深い知識と感性が要求されるのがF3というカテゴリーだ。ルーキー中嶋にとっては全てが初めて経験することばかりだが、「その一つ一つが勉強になるし、自分の引き出しが増えるのはいいこと」と話す。

中嶋はコースオープンと同時にピットアウト。1セット目のニュータイヤを履いてコースへと出ていった。テストではトップに2秒どころか、すぐ上のドライバーにも大きく差をつけられていた中嶋だったが、今回は一時総合5番手タイムをマーク。残り10分のところで2セット目のタイヤに履き替え、最終アタックに臨む。終盤でところどころに雨が落ちてきたため大きなタイムアップは出来ず、順位も9位に留まったが、前日までに比べれば周りとのタイム差やマシンのフィーリングはまずまずというところまで戻ってきていた。   予選終盤に降り出した雨がコース上を濡らしていたが、昼には完全に乾き、ドライコンディションで第3戦決勝がスタートした。コース上はまたしても強い追い風が吹いている。

予選グリッド9番手の中嶋は、スタート直後の混乱で1つポジションアップ。8番手でオープニングラップを終え、更に続く1コーナーで前のマシンを抜きにかかった。が、ここで接触。フロントウィングを破損してしまう。マシンを抜こうとラインを変えた瞬間が相手のブレーキポイントだったため、間が詰まりすぎてしまったのだ。  幸いにもお互いコースには留まることができたものの、ペースを上げられない中嶋は、フロントウィングを交換するため緊急ピットイン。チームもパーツを用意し中嶋を待っていたが、戻ってきたマシンは、タイヤにもダメージを負っていた。お互いのタイヤ同士も接触していたらしく、ホイールが割れてしまっていたのだ。交換すればレースを続けることは可能だが、F3のレギュレーションでは予備タイヤは用意されていない。使えるのは、明日の第4戦決勝に向けて取っておいてある1セットのみ。これを使ってしまうと明日のレースに影響が出ると判断し、中嶋はマシンを降りることとなった。 3戦目にしてリタイアを喫した中嶋。それでもスタートから接触するまでのペースは上々だった。その分アクシデントを悔やむ気持ちも大きいが、すぐさま気持ちをリセットし翌日の決勝に向かった。  第4戦のグリッドも、前日と同じ9番手。落ち着いてスタートを決めた中嶋は、抜群の飛び出しを見せて1コーナーまでで3つポジションアップに成功した。続く2コーナーへの進入もスピードが乗っていたものの、前方が団子状態で行き場がなくなり、コースアウトしてしまう。一旦は最後尾まで落ちてしまった中嶋は、ナショナルクラスのトップグループ後方まではすぐに追いついた。が、抜きどころの少ないオートポリスでは、マシンパワーの異なるナショナルクラスでも抜き去ることは難しい。それでも何とか数台をパスしたものの、レース終盤には前方でスピンした車両を避けるため再度コースアウトし、結果11位でゴールとなった。

 オートポリスでの初レースとなった今回は、中嶋にとっては珍しく荒れた展開となった。中嶋も自身のミスを認めつつも、「レースは全体的にドタバタしてしまった」と振り返っている。しかし、レース中のベストタイムを見ると他のホンダ勢にも大きく遅れをとることはなく、セッティングの方向性が見えてきたことは事実。惜しくも結果には結びつかなかったが、これが今週末の収穫といえるだろう。 次戦は2週間後、中嶋にとっては走りなれた鈴鹿での戦いとなる。

中嶋大祐選手コメント

「持ち込んだセッティングがコンディションと合わず、周りに対してかなり遅れを取った形で週末はスタートすることになりました。しかし金曜日の夜にセッティングの方向性について話し合いをした結果、予選の時までには良い感じに戻ってきていたので、余計に自分のミスや、レースの中でドタバタして結果が出なかったことが悔しいですし、チームにも申し訳なく思っています。 でもクルマのセッティングの方向性はだいぶ見えてきて、多くのことを学習することができました。次回以降、初日から落ち着いて良いタイムを出せるような状態になれば、おのずと結果もついてくるようになると思います。」